GC-MSがやってきた

GC-6890N

ここ半年ほど、GC(ガスクロマトグラフィー:通称ガスクロ)でいろいろやってきた。昆虫の表皮の成分について地域間で差を見るためだったのだが、結局差を定量化するところまではいかないまま次のステージがやってきてしまった。GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析装置:通称ガスマスorGCマス)である。

GC-MSというのは、平たく言えば物質を「分離」して、一つ一つの「分子構造を決定」する機械である。温度の違いによって物質の分離をするのがGCで、ある物質をバラバラのパーツにして、その情報からもとの物質の分子構造を決定するのがMS(マススペクトル:質量分析計)である。GC-MSとはこの二つの機能が直結したものといえるだろう。

現在やっている研究の方向性からすれば、最終的には物質の同定をしなければならなくなる。いずれどこかで分析させてもらうなりする必要はあった。さらには、遠くに行ってしか分析できなかったものが、自分のかなり近いところに設置された機械でできるということを考えても、この変化は大きい。その設置、立ち上げの初日が今日だった。


件の部屋に着いたころにはもう、業者さんがGC-MSの設置を進めていた。思っていたよりはコンパクトにまとまっている。装置の組み立てや、カラム(試料を分離するための長い管の部分)の取り付け、スイッチの入れ方など、設置作業を進めながら少しだけ教えてもらった。

装置の電源をオン。ポンプの音が結構大きい。今回電源を入れてから、しばらく機械を止めることはなさそうである。MS検出器は真空状態を必要とするため、真空ポンプ(ディフュージョンポンプ)がとりつけられている。装置が使用できるまでの真空状態を作り出すためには、だいたい1日ぐらいかかる。そのため、毎日〜1日おきぐらいの頻度で機械を使用するなら、つけっぱなしにしたほうがよいのである。


設置が終わり施錠。部屋を閉めても廊下にポンプの音が響いていた。これからずっと音が響きっぱなしになるわけだが、大丈夫だろうか。もしかすると騒音対策もいりそうだ。

明日は機械の原理などから簡単にレクチャーしてもらえる予定。基礎がまだしっかり分かってない身にとってはありがたい。こうしてブログを書きつつ復習しておこう。