金属製広辞苑

最近EXPACK(エクスパック)をたまに使う。
http://www.post.japanpost.jp/service/parcel/expack.htm
「A4封筒サイズ(角2封筒がすっぽり入る厚紙仕様の専用封筒(248mm×340mm))」の特殊な小包だが、一律500円でコンビニでも買え、ポストからでも送れ、だいたい次の日には到着し、さらに追跡サービスでどこまで荷物が移動したかわかる。手軽に使えてなかなか便利だ。


裏には使用上の注意書きがある。


1 国際郵便にはご利用できません。
2 特殊取扱はできません。


8 EXPACK500の重量制限は「30kg」までです。


A4サイズで30kg!
がんばれば広辞苑(2.8kg)ぐらいの大きさまでギリギリ入るらしいが…30kgってなに詰めんねんw さすがに無理やろw


…と最近までそう思っていたのだが、ちょっと計算してみることにした。もしかして重いものなら30kgに達するのだろうか?


まずは重そうな物質を選んでみる。
http://www.coguchi.com/data_s/genso/index.html
この中ではイリジウムが一番重そうだが、どこで手に入れるのかよくわからない(隕石に多いんだっけ?)ので、ここは「現実的な」白金を選ぶ。白金の比重は21.45(g/cm3:20℃)らしい。


次に紙の比重だが、紙によって異なり、大体0.7-0.9というところらしい。今回は0.9として計算してみよう。


紙(比重0.9)でできた広辞苑は2.8kg
これを全て白金(比重21.45)で作るとχkg
比重:重さで式を作ってみると
(紙)0.9:2.8=(白金)21.45:χ
χ≒66.73
白金でできた広辞苑は66.73kgもあるらしい…。これではEXPACKの重量制限にひっかかってしまう。


では、どんな物質でできた広辞苑までなら送れるのだろうか。
今度は比重をχにして、重さ制限30kgにしてみる。
(紙)0.9:2.8=(Expack限界物質)χ:30
χ≒9.64
つまり比重9.64までの物質でできた広辞苑なら送れる。
さっきの比重表から拾って比較しよう。


金 19.32
銀 10.49
銅  8.95
鉄  7.87


つまり、鉄製・銅製の広辞苑は送れても金・銀製、さらに白金製の広辞苑は送れない。送れないものがありうる。一見意味がなさそうな大げさな重量制限は、一応機能する数字なのである!

そこで本日のトリビア
EXPACKの30kgの重量制限は・・・
貴金属をいっぱいにつめたときの重量を基準にしている。」