番所溶岩

板状節理

4/22-23日は、大学の3つの学科が集う合同セミナーに泊まり込みで参加した。地学と生物学ぐらいに離れた分野の人がお互いの領域を発表して理解を深め合うという初の試みだ。セミナーの一環として、野外観察なども含まれる。今回は乗鞍岳の溶岩について、火山学の先生の解説を聞きながらポイントを回った。

最初の写真は番所(ばんどころ)という滝の名所。滑りやすい階段をしばらく降りていくと、大きな滝が現れる。

この滝は3万年ほど前に火山が噴火したときの溶岩と、もともとの岩盤の中間を削ってできている。滝の落差は3万年分ということだろうか。削れた斜面にはむき出しになった溶岩がよく観察できる。よく見ると溶岩には規則正しく割れ目が入っている。

溶岩にはいろいろな割れ方があるらしいが、ここの溶岩は水平に数cmずつきれいに割れた部分があり、1枚ずつ抜き取ることができるらしい。これを板状節理といい、番所溶岩の特徴だそうだ。不思議な割れ方だが、まだだれも形成メカニズムをしっかりとは示せていないらしい。


さっき滝まで降りてきた道を見ると、なるほど、その板状節理がそこらじゅうに見える(写真右)。降りてきたときには気づかなかったが、上るときには世界が変わっていた。このような体験は久しぶりだ。知ることによって世界の見え方がまたひとつ広がった気分。勉強でも学問でも気持ちいいのはこういうところ。先生の教え方がうまいんだけどね。

「柱状節理と板状節理」
http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/fieldguide/book/078.html