セッケイカワゲラ

セッケイカワゲラ

セミナーの途中で溶岩の先を見に行くということで向かった先。もう5月になろうかというのに、弁当を食べる予定だった草原は、まだ雪で覆われていた。仕方ないので雪のないアスファルトの上に座り込んで昼食に。雪景色もそれなりに風情がある。


弁当を食べ終わって話していると、誰かが雪の上にあるく黒いものを見つけて興奮しているのが目に付いた。どうやら雪の上に動き回っている虫がいるらしい。近づいてみせてもらうと、雪上に生きる昆虫、セッケイカワゲラEocapnia nivalisの仲間だった。大きさ1cmぐらい。話には聞いていたが、本物をみるのは初めてだ。よく見ると他のカワゲラ(クロカワゲラやオナシカワゲラ)も雪の上を歩きまわっている。クロカワゲラやオナシカワゲラの仲間が翅を持つのに対し、セッケイカワゲラは翅がないので識別は容易。他にもクモとかもいるし、雪の上も以外に生き物がいるものだ。


セッケイカワゲラを写真にとろうと思っていい状態を狙ってみるが、結構移動してしまう。なんでこんな季節に雪の上にわざわざいるんだろうか。調べてみると、どうやら成虫は川上を目指して移動を続けるものらしい。しかも太陽の方向を感じて、進行方向を修正するんだとか。すごい虫やなぁ。


他の個体を探して雪の上を見ながら歩いていると、ふと視界が赤くなってクラクラし始めた。どうやら雪目になったらしい。考えたことなかったけど、雪の上で何か探すときはサングラス必携かもね…。

「氷河に棲む生き物たち」
http://www2.athome.co.jp/academy/entomology/ent06.html