学会発表申し込み締め切り

いつもながら年度末にある大きな学会の発表申し込み締め切りが、今日だった。締め切りギリギリになって気づき、あわてて申し込んだ。これより後になると、料金が割り増しになるのである。この学会の場合、今日までに払えば懇親会費込みの学生料金で8000円で済むところが、明日以降14500円になるという激しさ。

最近は学会HPなどから瞬時に申し込みができ、非常に手軽である。自宅から申し込み、参加費を振込むために郵便局へ行く前に、研究室に寄ってみた。うちの研究室は結構発表する人が多い。今回もきっと、みんな申し込んだだろうと思っていたら、

「あれ?今日だったんですか。」
「え、何時まで振込みいけましたっけ?」

誰も申し込んでいなかった。増えた9人分の差額分、計算するのはやめておこう。

鯛のかぶと煮

たいのおかしら

ずいぶん冬が近づいてきた今日この頃。秋になって随分経つというのに、まだ鍋という形で料理をしていないことに気づき、鍋の材料を買出しに出かけた。
ふと目に留まったのが鯛の頭2匹分100円。よく見ると半額とも書いてある。鍋に入れてもいいが、かぶと煮にしてみるのもいいかもしれない、と購入。お頭つきは買ったことあるけど、頭のみ買うのは初めてだ。
かぶと煮を作るのも初めてなので、ネットでレシピを検索してみた。いろいろ見つかったがだいたいは酒:みりん:醤油=1〜:1:1を煮立てた調味料にショウガと一緒に入れて煮込むだけのようだ。煮込む前に、焼くか茹でるかで表面を加熱し、うまみと臭みを封じ込めるのがコツらしい。このときに鱗を手でぬぐいとるのだが、それが一番手間なぐらい。思っていたよりシンプルな料理だ。

煮込んで冷まして次の日にいただきました。(鍋はどうなった)

2000年間で最大の発明は何か

2000年間で最大の発明は何か「2000年間で最大の発明は何か」ジョン・ブロックマン編・高橋健次訳(2000)草思社
結構前に古本屋でパラパラみただけのものを800円で衝動買い。定価1500円。
過去2000年間でもっとも重要な発明は何か、その理由は? これをある専門家(科学者・哲学者・企業家)が集うメーリングリストに流したところ、数々の興味深い回答が得られた。その回答から108例選んでまとめたもの。数々の発明が選ばれており、「発明品」(印刷機やコンピュータ)だけでなく、数々の「思考法」(教育・懐疑主義・音楽など)についても言及されている。

惜しいのが、回答の統計を取っていないこと。どの意見が多かったのかはやっぱり気になる。せっかくメーリングリストで回答集めたんだから、その集計ぐらいやってほしかった。また、最近の発明を挙げる人が特に多かったように思う。「コンピュータ」とか「インターネット」とか電気なしじゃ成り立たなそうなものや、民主主義やマーケティングなどごく最近になってから機能していそうなシステムが目立つ。また、自分の専門分野に関するものを挙げる人がやはり多い(「遺伝子配列の決定法」とか、それホンマに最大と思ってるんか?)。この本を読む場合はあまり客観性を期待しないほうがよいかもしれない。その代わり、各専門家の説得力のある理由が読める、というわけだ。

個人的には「科学という思考法」が、これまでの発明で最も影響が大きく、これからも大きいのではないかと思う。発明というのがある方法について考え出すことであるとすれば、その発明を無数に生み出しているのは科学という考え方そのものではないだろうか。このブレイクスルーがなければ、幾多の発明は根本から生まれえなかったのだ。ちなみに、この本の回答の中で科学、科学的思考を挙げた人は4名いた。

ある発明がたまたま2000年の間に生まれなくても、人間が存続している限りいつかは発明されたとは思う。このような考え方どこかで読んだような気もするけど今回は(次回あるのか?)欧米の人間だけの意見で構成されている。これは日本でもやったら面白そうだ。もうやられているだろうか。
ちなみに各国で2000年1月1日に同時発行されたらしい。西暦2000年記念ってことですな。

招待状の返信

先日、友人の結婚式の招待状が届いた。昔からの友人が結婚するとあって、事前にいろいろ話は聞いていたが、改めて招待状を受け取ったのだ。しかし、返信を出そうとしてちょっと迷ったことがあった。

結婚式の招待状の返信は何回書いたことがある。常識的に、返信するときにはいくつかのルールがある。招待状の返信用のはがきには、こちらに対しての謙遜や尊敬表現が多めに使われているが、これをそのまま出しては失礼にあたる。例えば「(名前) 行(ゆき)」と書かれているところを棒線で消して「様」に変える、といったことだ。

で、問題があったのだが、今回は返信用はがきに書かれていた宛名が連名になっており、婚約者両名の名前が横書きで並んで、行がひとつだけついていた。
要するに、

〒123-4567
○○県○○市どこどこ

○○・○○ 行

という感じ。
行を様に変えると、二人に敬称がついてることにならないのではないか。かといって様以外に様方とか表現でありなのか。ネットでいろいろ検索してみたが、こういうケースを紹介している例はなかった。
結局、以下のようにした。

〒123-4567
○○県○○どこどこ

○○・○○
  様  様

通常、どのように書くのかわからないままだが、先方に伝わっていることを期待したい。

松本城薪能

羽衣天女

無料で能と狂言が見れると聞き、初めて生能・生狂言を見に、松本城へ行った。室内で行われる能とは異なり、屋外で夕刻涼しくなったころに始められるのが薪能である。松本城での夏の恒例行事ですでに24回目だという。少し雲行きが怪しかったが、人が多く集まり、外国の方もちらほら見えた。

始まる前には、小さなパンフレットを渡された。中には簡単に内容の説明があった。演目は、能が「橋弁慶」と「羽衣 和合之舞」、狂言が「末広」。どれも聞いたことのある話のようだった。

「橋弁慶」は、五条大橋での弁慶と牛若丸との立ち合いの話だ。一般的な話とは逆に弁慶が悪さをする牛若丸を討伐しようとして五条大橋へ行き、負けて家来になる。この弁慶(シテ=主役)と牛若丸(子方)を演じていたのがそれぞれ観世の二人だった。子供のほうはまだ4年生ぐらいだという。子供そのままの高声で、正直お遊戯みたいに思えた。小さい子ががんばってる感はあったが、一人だけ浮いていた。

「末広」は途中で雨がぱらついてきたがそのまま続ける。末広を買って来いといわれた太郎冠者が末広の意味が分からないまま、扇でなく傘を買ってきて怒られるが、また許される、という話。本当に雨が降ってきたのは、まさに太郎冠者が傘をさして囃子を踊るときだった(話とは関係ないけれども)。

「羽衣」は、羽衣を釣り人に取られた天女が舞を見せることで羽衣を返してもらう話。「和合之舞」という特殊演出により変化に富んだ舞が見られる、とパンフレットにはあった。和合之舞とは観世流の二つの舞、「序之舞」と「破之舞」を繋げて舞うことで囃子(はやし)に緩急が付き面白さが増すそうだ。分からないままに見ていても、確かに舞のスピードや動作が途中で変化したことがわかる。全体的にはゆったりしているのだが、少しずつ勢いがよくなるところなど、個人的にトランス系の音楽を思わせた。思わず拍子を合わせてしまう感覚だ。ただ、初めて見る楽曲でありがちだが、繰り返しの調子がいつ終わるかわからないために、長く感じた。これを見ると、橋弁慶が相当動きのある能だったと思える。


これまで能も狂言もテレビでたまたまやっていたときにボーっと眺める程度だったが、生でストーリーを頭に入れながら見ると、なかなかおもしろい。特に狂言は耳で普通に理解できる程度の話し方と間で、生ならではの臨場感を味わえたと思う。おもしろさを理解するのには勉強がいるだろうが、現在ではネットでもいろいろ基本的な情報も手に入る。本気で楽しもうと思うなら、すぐにでも勉強を始められる娯楽(?)だろう。

忘れ物をすると大変

いつものごとく2時間かけて分析機械を使わせてもらいに行った.道中,解析用のサンプリングをしながら向かったため,着いたころには既に17時を回っていた.もう通常勤務時間は終了しており,建物に入るのにはカードキーが必要となる.しかし,どうやらそのカードキーを忘れてしまったらしい.2時間離れたところにカードキーを忘れてしまうとは….少し呆けてしまったが,まだ中にいた方に事情を話して入れてもらった.これから分析をやる旨を伝えたところ,それじゃこれがないと不便でしょう,とこちらから言う前にカードキーまで貸していただけた.感謝して分析にあたった.

しかし,分析を始めてしばらく経って,分析結果を打ち出す専用プリンタの感熱ロール紙が切れかけていることに気づいた.既に施設の人は誰もいない.部屋中を捜したが換えの紙が見つからない.結局この日は6サンプル打っただけで終了.また2時間かけて帰るのにぃ….事前に準備できなかったのが悔やまれるとともに,距離の遠さを実感した.研究室に戻って,ロール紙の換えについて担当の方にメールした.すると,事務所にあるので取りに来てほしいとのこと.ああ,平日の業務時間中しか無理かぁ.仕方ないので週末はお休みに.

ヤハズソウの葉

ハサミグサ

調査中に同行者にふと呼び止められた。足元にちらほら生えているとある草、その葉をちぎって遊ばなかったか?と聞かれた。なるほど、そこらにマメ科と思われる草が生えていた。葉をちぎると糸でも引く*1のだろうか、とか思いつつ葉をちぎってみたが、何かそういうものが出ることはなかった。

もうひとつちぎってみた。どうやら葉脈に沿って同じ形にちぎれるらしい。ハサミグサといってどこでちぎってもきれいにハサミの形(握りバサミの形)に切れるということだ。思わずプチプチといくつかちぎってしまった(写真)。教えてくれた人は小さい頃これで遊んでいたことがあるという。ハサミグサと思って違う種類の葉を間違ってちぎると、汚い切れ目にショックを受けたとか。

帰ってから少し調べてみた。この草は一般には矢筈形(やはずがた)に切れることからヤハズソウ Kummerovia striataマメ科)というらしい。別名でハサミグサとも呼ばれるとのこと。どちらにしろ、矢筈もハサミもどちらも切れ方に注目した名前だ。

矢筈形とはよく家紋などで使われる形である。矢の末端で矢を番える切り込みのある部分を筈、または矢筈という。家紋などで矢筈形といっているのは実際は矢羽根に注目した形だ。矢筈には往々にして矢羽根が付いていることから、矢羽根の付いた矢の末端の形を矢筈形というようになったのだろう。

他にもジャンケングサという呼び名もあるらしい。いまどきの子供が外で遊びながら名前を覚えるにはこれが一番しっくりくるかもしれない。矢筈形も握りバサミも今の子供たちには縁遠そうだ。

*1:例えば、トチュウの仲間は葉をちぎると糸を引く